2023年02月17日

2023 年 第6週 (2月6日~2月12日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
 ●新型コロナウイルス感染症とは
 新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、2023 年 2 月 14 日までで全人口の 80.3%が初回接種(1・2 回目)を完了しました。
昨年 9 月からは初回接種を完了した 12 歳以上を対象にオミクロン株対応 2 価ワクチンの接種が進められており、接種率は 43.1%(高齢者においては 73.6%)となっています。
また、接種は幅広い年齢を対象としており、小児(5~11 歳)への追加接種(3 回目)の他、乳幼児(6 か月~4 歳)への初回接種も行われています。
詳細は岡山県ホームページ『新型コロナワクチンについて』を参照ください。

 ●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 6 月 7 日付報告)
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 2.0 版(2022 年 10 月 14 日発行)

 ●報告方法について
 2022 年 9 月 26 日から全数把握の方法が変更されました。
全数届出対象者は 65 歳以上の者等に限定され、対象者以外は検査キット陽性者登録センター等への登録制になりました。

 ●発生状況
・全国
 2023 年 2 月 15 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 33,019,616 名、国内死亡者は 71,136 名、また、同時点における重症者は 258 名となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、減少傾向が継続しています。
重症者数および死亡者数も減少傾向が継続していますが、死亡者数は依然として高い水準にあります。
例年、冬場は基礎疾患が悪化する時期ということもあり、引き続き注意が必要です。
ワクチン接種および感染により獲得した免疫の減衰、変異株(BQ.1系統等)の置き換わりの状況、気温の低下による不十分な換気等の影響が注視されます。
また、季節性インフルエンザとの同時流行に注意が必要です。

・岡山県(最新情報)
 2023 年 2 月 16 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 483,986 名、死亡者は 813 名(2 月 9 日~15日までの 1 週間で 11 名増加)となっています。
高齢者施設・医療機関などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、全国の状況と同様に、5 週連続で減少しています。
死亡者数は減少傾向にあるものの、報告が継続しています。
早期のワクチン接種とともに、基本的な感染防止策(体調が悪い場合には外出を控える、手洗い等の手指衛生、3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用を含めたマスクコードの遵守、換気など)の徹底に留意しましょう。
混雑した場所や感染リスクの高い場所へ外出する場合は、感染防止策をより一層徹底しましょう。
詳細は岡山県ホームページ『県民・事業者の皆様へのお願い』をご覧ください。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2023年2月17日更新)