2023年04月28日

2023 年 第16週 (4月17日~4月23日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
 ●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、2023 年 4 月 25 日までで全人口の 80.2%が初回接種(1・2 回目)を完了しました。
昨年 9 月からは初回接種を完了した 12 歳以上を対象にオミクロン株対応 2 価ワクチンの接種が進められており、接種率は 45.0%(高齢者においては 76.1%)となっています。
また、接種は幅広い年齢を対象としており、小児(5~11 歳)への追加接種(3 回目(3 月 10 日からオミクロン株対応 2 価ワクチンの接種が可能となりました))の他、乳幼児(6 か月~4 歳)への初回接種も行われています。
詳細は岡山県ホームページ『新型コロナワクチンについて』を参照ください。

●症状
 日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と短く、また、発症前からウイルスを排出し、感染源となることが分かっています。
上気道で増殖しやすい特性から、従来株(デルタ株など)に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産科婦人科学会、2022 年6月7日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 2.0版(2022 年 10 月 14 日発行

●報告方法について
 2022 年 9 月 26 日から全数把握の方法が変更されました。
全数届出対象者は 65 歳以上の者等に限定され、対象者以外は検査キット陽性者登録センター等への登録制になりました。

●発生状況
・全国
2023 年 4 月 26 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 33,677,778 名、国内死亡者は 74,443 名、また、同時点における重症者は 58 名となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、昨夏の感染拡大(第 7 波)前の水準を下回る状況が継続していますが、下げ止まりの後、緩やかな増加傾向となっています。
重症者数および死亡者数は横ばいとなっています。
今後の流行状況について、過去 2 年の状況を踏まえ、5 月の連休明けに拡大し、一旦減少の後に再度、夏に向けて感染拡大する可能性が指摘されています。
大型連休における人流の活発化、ワクチン接種および感染により獲得した免疫の減衰、変異株の置き換わりの状況等の影響もあり、引き続き注意が必要です。

・岡山県(最新情報)
 2023 年 4 月 27 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 493,078 名、死亡者は 856 名(4 月 20 日~26日までの 1 週間では 0 名)となっています。
障害者福祉施設・高齢者施設でクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、下げ止まりとなっています。
早期のワクチン接種とともに、基本的な感染防止策(体調が悪い場合には外出を控える、手洗い等の手指衛生、3 密(密閉・密集・密接)の回避、状況に応じたマスクの着用、換気など)の徹底に留意しましょう。
混雑した場所や感染リスクの高い場所へ外出する場合は、感染防止策をより一層徹底しましょう。
詳細は岡山県ホームページ『県民・事業者の皆様へのお願い(2 月 22 日改訂)』(感染症法上の位置づけが変わる 5 月 8 日以降については 『4月 20 日改訂版』)をご覧ください。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2023年4月28日更新)