2023年第18週
～ 新型コロナウイルス感染症 ～

2023 年 第18週 （5月1日～5月7日）

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症（COVID-19）
　●新型コロナウイルス感染症（COVID-19）とは
　新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル（飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子）を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離（1m以内）で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気が不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められていますが、5 月 8 日から接種の進め方が変更となりました。
詳細は岡山県ホームページ『新型コロナワクチンについて』を参照ください。

●症状
　日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2～3 日と短く、また、発症前からウイルスを排出し、感染源となることが分かっています。
上気道で増殖しやすい特性から、従来株（デルタ株など）に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患（慢性閉塞性肺疾患（COPD）、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など）のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期（21 週以降）などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています（日本における COVID-19 妊婦の現状（日本産科婦人科学会、2022 年６月７日付報告））。
なお、り患後症状（いわゆる後遺症）については、こちらをご覧ください。
→ 罹患後症状のマネジメント・第 2.０版（2022 年 10 月 14 日発行

●報告方法について
　2022 年 9 月 26 日から全数把握の方法が変更されました。
全数届出対象者は 65 歳以上の者等に限定され、対象者以外は検査キット陽性者登録センター等への登録制になりました。
なお、2023 年 5 月 8 日以降は 5 類感染症としての『定点』把握へ変更となり、変更後の発生状況の情報は、第 19 週の週報（5 月19 日発行予定）から掲載予定です。

●発生状況
（2023 年 5 月 8 日より定点把握へ移行し、全数把握の最終の公表が 5 月 8 日となったことから、第 17 週週報（5 月 10 日発行）とコメントは同一となります。）
・全国
2023 年 5 月 8 日までで、国内感染者は累計で 33,802,739 名、国内死亡者は 74,669 名、また、同時点における重症者は 80 名となっています（厚生労働省ホームページより）。
全国の新規感染者数は、昨夏の感染拡大（第 7 波）前の水準を下回る状況が継続していますが、下げ止まりの後、緩やかな増加傾向となっています。
重症者数も緩やかな増加傾向、死亡者数は横ばいとなっています。
今後の流行状況について、過去 2 年の状況を踏まえ、5 月の連休明けに拡大し、一旦減少の後に再度、夏に向けて感染拡大する可能性が指摘されています。
大型連休における人流の活発化、ワクチン接種および感染により獲得した免疫の減衰、変異株の置き換わりの状況等の影響もあり、引き続き注意が必要です。

・岡山県（最新情報）
2023 年 5 月 8 日までで、岡山県の感染者は累計で 494,213 名、死亡者は 857 名（5 月 2 日～8 日までの 1週間で 1 名増加）となっています。
高齢者施設・障害者福祉施設・児童福祉施設でクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、緩やかな増加傾向を示しています。
基本的な感染防止策（効果的な場面でのマスク着用、手洗い等の手指衛生、換気、3 密（密閉・密集・密接）の回避、健康的な日常生活、ワクチン接種、体調不良時の備え）に留意し、自主的な判断により実施しましょう。
詳細は岡山県ホームページ 『県民・事業者の皆様へのお願い（4 月 20 日改訂）』をご覧ください。

【岡山県感染症情報センターより参照】
（2023年5月15日更新）