2023年09月29日

2023 年 第38週 (9月18日~9月24日)

☆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)情報
 岡山県の流行状況(第 38 週( 9 / 18 ~ 9 / 24 ))
○新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、県全体で 973 名(定点あたり 11.58 人)の報告がありました(84 定点医療機関報告)。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、県全体で 973 名の報告があり、前週から減少しました(定点あたり 16.14 → 11.58 人)。
地域別では、倉敷市(16.25 人)、備北地域(15.00 人)、美作地域(13.60 人)の順で定点あたり報告数が多くなっています。
年代別では、30 代、50 代および 70 代以外の年代で前週から減少し、特に 10 代で顕著でした。
 基本的な感染防止策(効果的な場面でのマスク着用、手洗い等の手指衛生、換気、3 密(密閉・密集・密接)の回避、健康的な日常生活、ワクチン接種、体調不良時の備え)に留意し、自主的な判断により実施しましょう。
◆ゲノム解析の結果(全国の情報(岡山県の情報も含む))はこちら
『SARS-CoV-2 変異株について』(国立感染症研究所)

●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気が不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。

●症状
 日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と短く、また、発症前からウイルスを排出し、感染源となることが分かっています。
上気道で増殖しやすい特性から、従来株(デルタ株等)に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています( 日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産科婦人科学会、2022 年6月7日付報告) )。
 なお、罹患後症状(いわゆる後遺症)については、以下をご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 2.0版(2022 年 10 月 14 日発行)
『新型コロナウイルス感染症罹患後も続く症状(後遺症)にお悩みの方へ』(岡山県ホームページ)

●発生動向の把握方法について
 これまでは全ての患者を把握する『全数』把握(2022 年 9 月 26 日以降は簡略化)の方法でしたが、2023 年 5 月 8 日(第 19 週)以降は、指定した医療機関(岡山県の定点医療機関数:84(内訳:小児科定点 54、内科定点 30))において 1 週間に診断した患者数を把握する『定点』把握の方法へ変更となりました。

☆結核について
【2022 年の全国の結核発生状況】
 結核登録者情報調査年報 によると、全国で新たに登録された結核患者(新登録結核患者)は10,235名で、2021 年の 11,519 名から減少しました。
年齢別では、70 歳以上の新登録結核患者が全体の 60%以上を占めており、患者が年々高齢化しています。
日本は、2022 年の結核り患率(人口 10 万あたり)が 8.2と、前年から 1.0 ポイント減少しました。
前年に中まん延国から低まん延国(10 以下)となり、2022 年も継続しています(なお、2020 年からの結核り患率の減少は、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられています。)。
都道府県別の結核り患率は、大阪府(12.7)が最も高く、次いで大分県(10.8)、長崎県(10.7)の順となっています。

【2022 年の岡山県の発生状況】
 2022 年の岡山県の新登録結核患者は 148 名で、2021 年の 183 名から減少しました。
年齢別では 80 歳以上が最も多く、70 歳以上の高齢者が新登録結核患者の 68%を占めています。
 2022 年の岡山県の結核り患率は 7.9 と、2021 年の 9.8 から 1.9 ポイント減少し、2020 年の 8.1 と同レベルでした。
全国的に 2020 年以降の結核り患率の減少は新型コロナウイルス感染症の影響も考えられており、引き続き注意が必要です。

 なお、2023 年第 38 週まで(~9/24)の岡山県の報告数は、患者 100 名、無症状病原体保有者 55 名、その他 1 名となっています。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2023年9月29日更新)