2022年02月11日
2022 年 第5週 (1月31日~2月6日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、現在世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、2 月 10 日までで全人口の 78.9%が 2 回、7.9%が 3 回のワクチン接種を完了しています。
●症状
通常 5 日程度(オミクロン株については 3 日程度との報告あり)の潜伏期間の後に、主に発熱、咳、倦怠感等の風邪のような症状が出現しますが、下痢、嗅覚・味覚障害などを呈する場合もあります。
初期症状に続き、肺炎症状の増悪を示す場合があります。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦でも重症化する割合が高いことが分かっています(国立成育医療研究センタープレスリリース(2022 年 1 月 18 日))。
他方、感染しても息苦しさなどを認めない比較的軽症の例や無症状の方も多くみられます。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。→新型コロナウイルス感染症診療の手引き【別冊】罹患後症状のマネジメント・暫定版(12 月 1 日発行)
●発生状況
・全国
2022 年 2 月 10 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 3,566,188 名、国内死亡者は 19,742 名、入院治療等を要する者は 839,756 名(うち重症者 1,270 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は増加が続いていますが、その増加速度には鈍化傾向がみられています。
年代別の割合では、20 代が減少する一方、10 歳未満や 60 代以上で増加しています。
高齢者に感染が波及することで、重症者数および死亡者数の増加が継続し、軽症・中等症病床のみならず重症病床もひっ迫する可能性が高まっています。
また、海外の一部地域で感染が拡大しているオミクロン株 BA.2 系統(現在日本で主流となっているオミクロン株 BA.1 系統と比較し、感染性がより高いとされている)に、今後置き換わることで再度増加に転じる可能性にも注意が必要です。
現在多くの都道府県で、まん延防止等重点措置が実施されています。
・岡山県(最新情報)
2022 年 2 月 10 日までで、岡山県の感染者は累計で 36,733 名、死亡者は 154 名(2 月 4 日~10 日までの 1週間で 15 名増加)となっています。
岡山県の全域が、1 月 27 日から 2 月 20 日の期間で、まん延防止等重点措置の対象となっています。
高齢者施設・学校・医療機関・保育園などで多くのクラスターが発生しています。
直近一週間の新規感染者では 20 代以下を中心とする若年者層が多く報告されていますが、70 代以上の高齢者の増加が継続しており、注意が必要です。
基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは速やかに医療機関を受診しましょう。
また外出の際には、混雑する場所や時間を避けるようにしましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年2月11日更新)