2021年12月31日

2021 年 第51 週 (12月20日~12月26日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、現在世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、1 月 6 日までで全人口の 78.4%が 2 回のワクチン接種を完了しています。
現在、追加接種(3 回目接種)が進められています。

 ●症状
1~14 日(通常 5 日程度)の潜伏期間の後に、主に発熱、咳、倦怠感等の風邪のような症状が出現しますが、下痢、嗅覚・味覚障害などを呈する場合もあります。
初期症状に続き、肺炎症状の増悪を示す場合があります。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
他方、感染しても息苦しさなどを認めない比較的軽症の例や無症状の方も多くみられます。
また、り患後症状(いわゆる後遺症)について、「疲労感・倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力・集中力の低下」が診断 6 か月後も、り患者全体の 10%以上に認められました。
一方で、多くのり患者は症状が改善していたことが分かっています(新型コロナウイルス感染症診療の手引き【別冊】罹患後症状のマネジメント・暫定版(12 月 1 日発行))

 ●発生状況
・全国
2022 年 1 月 6 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 1,739,353 名、国内死亡者は 18,398 名、入院治療等を要する者は 7,763 名(うち重症者 64 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、沖縄県、山口県、広島県、関東や関西地方の都市部を中心に増加が見られています。
オミクロン株が、世界各地で急速な感染拡大の主たる原因となっており、日本国内においても、地域で一定規模の伝播が起きている可能性があります。
今後、感染者数が急速に増加すれば、入院による治療を必要とする人が急激に増え、医療提供体制がひっ迫することが懸念されます。

・岡山県(最新情報)
2022 年 1 月 6 日までで、岡山県の感染者は累計で 15,609 名(男性 7,691 名、女性 6,350 名、性別非公表1,568 名)、死亡者は 136 名となっています。
岡山県の新規感染者数は、低い水準を示していましたが、増加傾向となっています。
全国と同様に、オミクロン株による感染拡大が懸念されます。今一度、基本的な感染予防策(ゼロ密(密閉・密集・密接の 3 密のうち、1 つの密でも避ける)、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは速やかに医療機関を受診しましょう。
また外出の際には、混雑する場所や時間を避けるようにしましょう。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年1月7日更新)