2021年12月10日
2021 年 第48 週 (11月29日~12月5日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、現在世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
現在、進められている予防接種(12 月 8 日までに全人口の 77.3%が 2 回のワクチン接種を完了)については、追加接種(3 回目接種)が始まっています。
●症状
1~14 日(通常 5 日程度)の潜伏期間の後に、主に発熱、咳、倦怠感等の風邪のような症状が出現しますが、下痢、嗅覚・味覚障害などを呈する場合もあります。
初期症状に続き、肺炎症状の増悪を示す場合があります。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
他方、感染しても息苦しさなどを認めない比較的軽症の例や無症状の方も多くみられます。
また、り患後症状(いわゆる後遺症)について、「疲労感・倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力・集中力の低下」が診断 6 か月後も、り患者全体の 10%以上に認められました。
一方で、多くのり患者は症状が改善していたことが分かっています(新型コロナウイルス感染症診療の手引き【別冊】罹患後症状のマネジメント・暫定版(12 月 1 日発行))。
●発生状況
・全国
2021 年 12 月 8 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 1,728,113 名、国内死亡者は 18,367 名、入院治療等を要する者は 1,090 名(うち重症者 27 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、昨年の夏以降で最も低い水準が継続しており、重症者数および死亡者数も低水準の状況が続いています。
WHO によると、新たな変異株(オミクロン株)は、12 月 7 日までに米国や欧州各国をはじめとして 57 か国で感染例が報告されています。
日本国内においても、海外からの入国者の中に、オミクロン株の感染者が確認される事例が報告されており、感染の拡大が懸念されます。
気温の低下による屋内での活動の増加や、忘年会など年末に向けての行事により、さらなる社会経済活動の活発化が想定されます。
必要な対策の徹底と、今後の新規感染者数の動向に注視が必要です。
・岡山県(最新情報)
2021 年 12 月 9 日までで、岡山県の感染者は累計で 15,547 名(男性 7,662 名、女性 6,322 名、性別非公表 1,563 名)、死亡者は 136 名となっています。
岡山県の新規感染者数は、全ての年代で横ばい~減少傾向であり、低い水準で推移しています。
今後の社会経済活動の活発化が予想されますが、感染拡大の防止が重要であり、基本的な感染予防策(3 密の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意が必要です。
引き続き、感染者数や変異株の動向に注意しましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2021年12月10日更新)