2022年05月20日

2022 年 第19週 (5月9日~5月15日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、5 月 17 日までで全人口の 80.4%が 2 回、56.7%が 3 回のワクチン接種を完了しています。

 ●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(22 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 3 月 1 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 1 版(2022 年 4 月 28 日発行)

 ●発生状況
・全国
2022 年 5 月 18 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 8,433,124 名、国内死亡者は 30,122 名、入院治療等を要する者は 331,373 名(うち重症者125 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、大型連休前までは緩やかな減少傾向でしたが、連休後の第 19 週は連休中の前週と比較して約 1.4 倍となっています。
連休中は診療や検査数が少なくなっているため正確な評価は困難ですが、今後の感染状況が注視されます。
これまでの新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数および死亡者数は減少傾向が継続していましたが、下げ止まりの傾向がみられます。
オミクロン株 BA.2系統(BA.1 系統と比較し、感染性が高いとされている)へ概ね置き換わったものと推測されます。
引き続き感染防止策の徹底に留意しましょう。

・岡山県(最新情報)
2022 年 5 月 19 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 91,357 名、死亡者は 245 名(5 月 12 日~5 月18 日までの 1 週間で 2 名増加)となっています。
学校・高齢者施設などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、高止まり傾向となっています。
また、重症者や死亡者の報告が継続しています。
岡山県においても BA.2 系統に概ね置き換わったものと推測されます。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは速やかに医療機関を受診しましょう。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年5月20日更新)