2022年01月21日
2022 年 第2 週 (1月10日~1月16日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、現在世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、1 月 20 日までで全人口の 78.7%が 2 回のワクチン接種を完了しています。
現在、追加接種(3 回目接種)が始まっています。
●症状
通常 5 日程度(オミクロン株については 3 日程度との報告あり)の潜伏期間の後に、主に発熱、咳、倦怠感等の風邪のような症状が出現しますが、下痢、嗅覚・味覚障害などを呈する場合もあります。
初期症状に続き、肺炎症状の増悪を示す場合があります。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦でも重症化する割合が高いことが分かっています(国立成育医療研究センタープレスリリース(2022 年 1 月 18 日))。
他方、感染しても息苦しさなどを認めない比較的軽症の例や無症状の方も多くみられます。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。→新型コロナウイルス感染症診療の手引き【別冊】罹患後症状のマネジメント・暫定版(12 月 1 日発行)
●発生状況
・全国
2022 年 1 月 20 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 1,972,893 名、国内死亡者は 18,457 名、入院治療等を要する者は 185,751 名(うち重症者 287 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は 20 代以下の若年層を中心に急速に増加しており、広島県、山口県、沖縄県で 1 月31 日まで、東京都など 1 都 12 県で 2 月 13 日までの期間で、まん延防止等重点措置が実施されています。
オミクロン株が、世界各地で急速な感染拡大の原因となっており、日本においても、2022 年第 2 週の変異株スクリーニング検査の結果から、首都圏・関西圏ともに 9 割以上がオミクロン株感染の疑いがあると解析されています。
新規感染者数の増加に伴い、療養者数と重症者数は増加傾向にあります。
今後、入院による治療を必要とする人が急激に増え、医療提供体制がひっ迫することが懸念されます。
・岡山県(最新情報)
2022 年 1 月 20 日までで、岡山県の感染者は累計で 18,312 名(男性 8,785 名、女性 7,221 名、性別非公表および不明 2,306 名)、死亡者は 136 名となっています。
1 月に入ってから、岡山県の新規感染者数は大幅に増加し、県内の感染状況はレベル 2(医療提供体制に負荷が生じ始めているが、病床を増やすことなどで対応できている状況)が継続しています。
1 月 1 日から 19 日までの新規感染者数のうち、20 代が約 4割を占め、30 代以下でほぼ 7 割を占めています。
全国と同様、オミクロン株への置き換わりが進んでいます。
基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは速やかに医療機関を受診しましょう。
また外出の際には、混雑する場所や時間を避けるようにしましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年1月21日更新)