2019年07月19日
2019年 第28週(7月8日 ~ 7月14日)
■定点把握感染症の発生状況
患者報告医療機関数:インフルエンザ定点84、小児科定点54、眼科定点12、STD定点17、基幹定点5
○手足口病は、県全体で457名(定点あたり 9.65 → 8.46人)の報告があり、前週から減少しました。
○ヘルパンギーナは、県全体で107名(定点あたり 1.70 → 1.98人)の報告があり、前週から増加しました。
■今週の注目感染症①
☆風しん
症状等についてはこちらをご覧ください。
⇒ 『風しんについて』(厚生労働省)
●発生状況
風しんは、2018年に全国的に流行しま した(2018年の全国の風しん届出数: 2,917名。2015~2017年の3年間では 年間93~163名)。
2019年に入ってから、全国では第1週から第27週の風しん累積患者報告数は1,935名となり、第26週の1,896名 から39名増加しました。
2019年第1週から第27週までの人口100万人あたりの患者報告数は全国 で15.2人となり、東京都が51.7人で最も多く、次いで島根県43.2人、 佐賀県37.2人、千葉県27.5人、神奈川県25.9人と続いています。
患者 の94% が成人で、男性が女性の3.9倍多く報告されており、特に30~40 代の男性に多くなっています(男性患者全体の60 % )。
<中国・四国地方の状況>
・2018年累積報告数(カッコ内は人口100万人あたりの患者報告数) 岡山県:29名(15.1人)、広島県:28名(9.8人)、山口県:24名 (17.1人)、愛媛県:7名(5.1人)
・2019年第1週~第28週(速報値)累積報告数 岡山県:3名(1.6人)、広島県:28名(9.8人)、山口県:18名(12.8 人)、島根県:30名(43.2人)、香川県:5名【前週+1】(5.1人)、 愛媛県:3名(2.2人)
●先天性風しん症候群(CRS)とは
妊娠初期に風しんにり患すると、風しんウイルスが胎児に感染し、出生児に先天性風しん症候群(CRS)と総称さ れる障がいを引き起こすことがあります。
先天性心疾患、難聴、白内障が3大症状です。
全国では2019年第4週、第17週および第24週に、各1名ずつの先天性風しん症候群の発生報告がありました。
今週の注目感染症②
☆手足口病
手足口病は、夏季に乳幼児を中心に流行する急性ウイルス性感染症です。
コクサッキーウイルス、エンテロウイ ルスなどが原因となります。
感染者の咳やくしゃみを受けたり(飛沫感染)、便中に排泄されたウイルスが手指 などを介して口に入ること(経口感染)などによって感染します。
3~5日の潜伏期間の後、口の粘膜、手のひら、足の甲や裏に2~3mmの水疱性発し んが出現するのが特徴です。
発熱は約1/3 に見られますが、一般に軽度です。
3~7 日で水疱は消え、通常予後は良好ですが、 まれに髄膜炎、脳炎、心筋炎や急性弛緩性麻痺などを起こすことがあります。
特に、エンテロウイルス71型による手足口病は、中枢神経系の合併症など、重症化する 割合が高いと言われています。
●発生状況
全国的に流行しており、第27週は第26週から 患者数が1万人増加し、全国で3万人を超え、 過去10年間の同時期と比較して最も多くなって います。
第27週の定点あたり報告数では福井県 (31.13人)、石川県(26.76人)、香川県(17.11 人)、三重県(17.05人)、滋賀県(16.41人)の順に多く、36都府県で警報レベルの5.00人を超えました。
岡山県でも、第28週では県全体で457名(定点あたり8.46人)の報告があり、過去10年間の同時期と比較すると、2017年に次いで、2番目に多い報告数となっています。
年齢別では、第28週までで0-3歳が85 % を占めています。
●治療および予防法
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に発しんができ食事を取りにくいため、柔らかい薄味の食事にするなどの工夫をし、こまめな水分補給を心がけましょう。
また、高熱が出る、おう吐する、頭を痛がる、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
有効なワクチンはないので、患者との濃厚な接触を避け、せっけんや流水による手洗いを励行し、適切に排泄物を処理するなど、感染予防と拡大防止に努めましょう。
症状が治まっても、2~4週間の長期間にわたり便の中にウイルスが排出されるため、手足口病にかかりやすい乳幼児が集団生活をしている保育園や幼稚園などでは、特に注意が必要です。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2019年7月19日更新)