2022年09月09日
2022 年 第35週 (8月29日~9月4日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
9 月 6 日までで全人口の 80.4%が 2 回、64.9%が3 回のワクチン接種を完了しています。
また、60 歳以上の高齢者や 18 歳以上で基礎疾患を有する方等で3 回目接種から 5 か月以上経過した方への 4 回目の追加予防接種が進められています(該当高齢者の約 7割で接種が完了しています)。
●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 6 月 7 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
→ 罹患後症状のマネジメント・第 1.1 版(2022 年 6 月 17 日発行)
●発生状況
・全国
2022 年 9 月 7 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 19,635,246 名、国内死亡者は 41,575 名、入院治療等を要する者は 1,386,117 名(うち重症者 474 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、減少が継続していますが、第 6 波よりも高いレベルが継続しています。
今後、夏休み後の学校再開による感染状況への影響が注視されます。
療養者数、重症者数は減少傾向を示しています。
他方、死亡者数は増加の伸びが収まってきていますが、高止まり状態であり、これまでの最高値を継続しています。
第 7 波の要因として、ワクチンや感染により獲得された免疫の減弱、感染者数が増加しやすく、免疫逃避が懸念されるオミクロン株の BA.5 系統への置き換わり等が考えられています。
・岡山県(最新情報)
2022 年 9 月 8 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 247,519 名、死亡者は 378 名(9 月 1 日~7 日までの 1 週間で 17 名増加)となっています。
高齢者施設・医療機関などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、全国の状況と同様に減少が継続していますが、高いレベルが継続しています。
岡山県は病床使用率が 50%を超えたこと等を受け、8 月5 日に「BA.5 対策強化宣言」を発令しました。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意しましょう。
また、高齢者や基礎疾患があるなど重症化リスクの高い方や、日常的にそれらの方と接する方は、混雑した場所への外出など感染リスクの高い行動を控える、体調が悪い場合には外出を控える等、日々の活動面にも留意しましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年9月9日更新)