2022年09月23日
2022 年 第37週 (9月12日~9月18日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、9 月 20 日までで全人口の 80.4%が 2 回、65.2%が 3 回のワクチン接種を完了しています。
また、60 歳以上の高齢者や 18 歳以上で基礎疾患を有する方等で 3 回目接種から 5 か月以上経過した方への 4 回目の追加予防接種が進められています(該当高齢者の約8 割で接種が完了しています)。
さらに、オミクロン株対応 2 価ワクチン(従来株とオミクロン株に対応)の接種が、岡山県では 9 月 28 日から始まります。
●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 6 月 7 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
→ 罹患後症状のマネジメント・第 1.1 版(2022 年 6 月 17 日発行)
●発生状況
・全国
2022 年 9 月 21 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 20,779,307 名、国内死亡者は 43,951 名、入院治療等を要する者は 646,507 名(うち重症者301 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、全ての年代で減少が継続し、第 6 波のピークを下回る感染レベルとなりました。
しかし、首都圏では減少の鈍化がみられ、また、一部地域では第 6 波のピークを上回るレベルが継続しています。
今後、連休が続いたことによる感染状況への影響が注視されます。
療養者数、重症者数および死亡者数は減少が継続しています。
今後の見通しとして、季節性インフルエンザの例年よりも早期の流行と両感染症の同時流行が懸念されています。
・岡山県(最新情報)
2022 年 9 月 22 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 266,997 名、死亡者は 399 名(9 月 15 日~21日までの 1 週間で 12 名増加)となっています。
高齢者施設・医療機関などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、全国の状況と同様に全ての年代で減少が継続していますが、高いレベルが継続しています。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意しましょう。
また、高齢者や基礎疾患があるなど重症化リスクの高い方や日常的にそれらの方と接する方は、混雑した場所への外出など感染リスクの高い行動を控える、体調が悪い場合には外出を控える等、日々の活動面にも留意しましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年9月26日更新)