2022年10月07日
2022 年 第39週 (9月26日~10月2日)
今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、10 月 4 日までで全人口の 80.4%が 2 回、65.5%が 3 回のワクチン接種を完了しています。
また、60 歳以上の高齢者や 18 歳以上で基礎疾患を有する方等で 3 回目接種から 5 か月以上経過した方への 4 回目の追加予防接種が進められています(該当高齢者の約8 割で接種が完了しています)。
さらに、オミクロン株対応 2 価ワクチン(従来株とオミクロン株に対応)の接種が、岡山県では 9 月 28 日から始まりました。
●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 6 月 7 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
→ 罹患後症状のマネジメント・第 1.1 版(2022 年 6 月 17 日発行)
●報告方法について
2022 年 9 月 26 日から全数把握の方法が変更されました。
全数届出対象者は 65 歳以上の者等に限定され、対象者以外は検査キット陽性者登録センター等への登録制になりました。
●発生状況
・全国
2022 年 10 月 5 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 21,426,855 名、国内死亡者は 45,157 名、重症者は 160 名となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、減少が継続していますが、一部の地域では減少速度が鈍化しています。
今後、連休や観光による接触機会の増加等による感染状況への影響が注視されます。
療養者数、重症者数および死亡者数は減少が継続していますが、重症者数および死亡者数は下げ止まりの傾向がみられます。
今後の見通しとして、過去 2 年間の傾向から今冬の本感染症の流行拡大や、季節性インフルエンザの例年よりも早期の流行と両感染症の同時流行が懸念されています。
・岡山県(最新情報)
2022 年 10 月 6 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 277,553 名、死亡者は 410 名(9 月 29 日~10月 5 日までの 1 週間で 5 名増加)となっています。
高齢者施設・医療機関などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、全国の状況と同様に減少が継続しています。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意しましょう。
また、高齢者や基礎疾患があるなど重症化リスクの高い方や日常的にそれらの方と接する方は、混雑した場所への外出など感染リスクの高い行動を控える、体調が悪い場合には外出を控える等、日々の活動面にも留意しましょう。
【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年10月7日更新)