2022年05月13日

2022 年 第18週 (5月2日~5月8日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、5 月 10 日までで全人口の 80.3%が 2 回、54.9%が 3 回のワクチン接種を完了しています。

 ●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(22 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 3 月 1 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 1 版(2022 年 4 月 28 日発行)

 ●発生状況
・全国
2022 年 5 月 11 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 8,172,238 名、国内死亡者は 29,894 名、入院治療等を要する者は 308,444 名(うち重症者 163 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、大都市圏を中心とする減少傾向に伴い、緩やかな減少が継続していましたが、大型連休後、各年代層で増加がみられ、今後の感染状況が注視されます。
新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数および死亡者数は減少傾向が継続しています。
オミクロン株 BA.2 系統(BA.1 系統と比較し、感染性が高いとされている)へ概ね置き換わったものと推測されます。
なお、検疫でオミクロン株 XE 系統(BA.2 系統と比較した感染性は明らかではないが、高いという報告もある)が確認されており、今後の感染状況が注視されます。
大型連休が明け、感染防止策の徹底に加えて、体調管理を心がけることが必要です。

・岡山県(最新情報)
2022 年 5 月 12 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 86,603 名、死亡者は 243 名(5 月 5 日~5 月11 日までの 1 週間で 3 名増加)となっています。
学校・医療機関・高齢者施設などでクラスターが発生しており、発生例の大半を学校が占めています。
大型連休前後の 4 月 28 日~5 月 4 日と 5 月 5 日~11 日の各 1 週間を比較すると、新規感染者数が前週の約 1.4 倍となっており、特に若年層において顕著な増加がみられます。
また、重症者や死亡者の報告が継続しています。
BA.2 系統の感染も県内で確認されており、概ね置き換わったものと推測されます。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは速やかに医療機関を受診しましょう。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年5月13日更新)