2022年08月05日

2022 年 第30週 (7月25日~7月31日)

今週の注目感染症
☆新型コロナウイルス感染症
 ●新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、世界中で感染が拡大している呼吸器症状などを呈する感染症です。
咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)を吸入することで感染すると考えられます。
通常は感染者に近い距離(1m 以内)で感染しますが、エアロゾルは 1m を超えて空気中に留まりうることから、換気不十分な環境では、感染が拡大するリスクがあります。
予防接種が進められており、8 月 2 日までで全人口の 81.0%が 2 回、63.1%が3 回のワクチン接種を完了しています。
また、4 回目の追加予防接種が進められています。

 ●症状
現在日本で流行の主流となっているオミクロン株は、潜伏期間が 2~3 日と、従来流行していた株(デルタ株など)と比較し短くなっています。
また、上気道で増殖しやすい特性から、従来株に比べ、鼻汁・頭痛・倦怠感・咽頭痛などの風邪様症状の頻度が増加している一方で、嗅覚・味覚障害の頻度の減少が報告されています。
しかしながら、肺炎が進展し、重症化する例も少なからず認められます。
特に高齢者や基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満など)のある方がり患すると、重症化する割合が高い傾向にあるとされており、注意が必要です。
また、妊婦では妊娠後半期(21 週以降)などに重症化する割合が高いことが分かっていますが、ワクチン接種が重症化を予防する可能性があるとされています(日本における COVID-19 妊婦の現状(日本産婦人科学会、2022 年 6 月 7 日付報告))。
なお、り患後症状(いわゆる後遺症)については、こちらをご覧ください。
罹患後症状のマネジメント・第 1.1 版(2022 年 6 月 17 日発行)

 ●発生状況
・全国
2022 年 8 月 3 日 0 時現在までで、国内感染者は累計で 13,113,301 名、国内死亡者は 32,819 名、入院治療等を要する者は 1,734,592 名(うち重症者 478 名)となっています(厚生労働省ホームページより)。
全国の新規感染者数は、前週比で増加幅は減少してきていますが、増加が継続しています。
新規感染者数の増加に伴い、療養者数の増加も継続しています。
また、重症者数や死亡者数の増加も継続しており、今後の推移が懸念されます。
ワクチンや感染により獲得された免疫の減弱、感染者数が増加しやすく、免疫逃避が懸念されるオミクロン株の BA.5 系統への置き換わり等が増加要因として考えられています。
気温上昇によって屋内での活動が増える時期ですが、冷房を優先するため、換気が不十分となる場合があります。
また、夏休みやお盆等により接触機会の増加等が予想されます。
引き続き感染防止策および体調管理の徹底に留意しましょう。

・岡山県(最新情報)
2022 年 8 月 4 日 0 時現在までで、岡山県の感染者は累計で 143,916 名、死亡者は 264 名(7 月 28 日~8 月3 日までの 1 週間で 8 名増加)となっています。
高齢者施設・医療機関などでクラスターが発生しています。
直近 1 週間の新規感染者数は、全国の状況と同様に増加幅の鈍化がみられますが、全ての年代で増加が継続しています。
岡山県は発令目安の病床使用率が 50%を超えたこと等を受け、「BA.5 対策強化宣言」を発令しました。
ワクチン接種とともに、基本的な感染予防策(3 密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの正しい着用、手洗い、換気など)の徹底に留意し、体調が悪いときは外出、帰省、旅行を控え、医療機関を受診しましょう。

【岡山県感染症情報センターより参照】
(2022年8月5日更新)