2019年02月15日

2019年 第6週(2月4日~ 2月10日)

■定点把握感染症の発生状況
患者報告医療機関数:インフルエンザ定点 84、小児科定点 54、眼科定点 12、STD 定点 17、基幹定点 5
○インフルエンザは、県全体で 1,934 名(定点あたり 37.32 → 23.02 人)の報告があり、前週から減少しました。
○感染性胃腸炎は、県全体で 456 名(定点あたり 10.04 → 8.44 人)の報告があり、前週から減少しました。

■今週の注目感染症
☆風しん

●風しんとは
風しんは、発熱、発しん、リンパ節腫脹を特徴とするウイルスによる急性の発しん性感染症です。
感染経路は飛沫感染で、ヒトからヒトに伝播します。
特に妊婦がり患すると、出生児に先天性風しん症候群(CRS)を発症することがあり、社会的に注目される疾患です。

●症状
感染から 14~21 日後に発熱、発しん、リンパ節腫脹が出現します(発熱は風しん患者の約半数)。
症状は不顕性感染(15~30% 程度)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発しんが長く続いたり関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。

●発生状況
風しんは、2018 年に全国的に流行しました(2018 年の全国の風しん届出数:2,917 名。直近 3 年間では年間 93~163 名)。
中国・四国地方では、岡山県:29 名、広島県:28 名、山口県:22 名、香川県:11 名、愛媛県:7 名などが報告されました。
患者は、男性が女性の 4.3 倍と多くを占めており、中でも抗体価が低いとされる、30 代~50 代の男性が中心となっていました(男性患者全体の約 8 割)。

●先天性風しん症候群とは
妊娠初期に風しんにり患すると、風しんウイルスが胎児に感染し、出生児に先天性風しん症候群(CRS)と総称される障がいを引き起こすことがあります。
先天性心疾患、難聴、白内障が 3 大症状ですが、それ以外にも、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅延、知的障がい、小眼球など多岐にわたる症状を呈することがあります。
全国では、2019 年第 4 週に、1 名の先天性風しん症候群の発生報告がありました。

●風しんはワクチンで予防できます!
予防接種が唯一の有効な予防手段です。
岡山県でも、全国の状況と同様に、30 歳代~50 歳代の男性が患者のほとんどを占めており、大きな問題です。


【岡山県感染症情報センターより参照】
(2019年2月15日更新)